編集者注:アラバマ州マッスルショールズ在住のジェシカ・ダベンポートさんは、シムケ免疫骨異形成症(SIOD)と呼ばれる稀で致死的な小人症を患う、6歳のクルズさんと5歳のペイズリーさんの誇り高い母親です。クルズさんとペイズリーさんは、パッカード小児病院で継続的な治療を受けています。昨年、2人の子どもは幹細胞移植を受け、クルズさんはSIODの深刻な影響と闘うために腎移植も受けました。現在、家族はペイズリーさんにも、人生を変えるような腎移植が受けられることを待ち望んでいます。以下、ジェシカさんが、COVID-19パンデミックが家族の医療にどのような影響を与えたかについて語ります。
最近のパッカード小児病院への訪問について、また、COVID-19 によってペイズリーちゃんの希望していた腎臓移植がどう中断されたかについて、少しお話しいただけますか?
2月29日にアラバマを出発した時、COVID-19の影響が拡大していることは承知していましたが、その後数週間で事態が最悪の方向に進むとは予想していませんでした。3月15日に予定されていた娘の腎臓移植手術の前に、数週間かけて夫(腎臓ドナー)とペイズリーの検査を行いました。その間、COVID-19の危機は急速に悪化し、医師たちは難しい決断を迫られることになりました。私たちはこの極めて重要な日を長い間待ち望んでいましたが、今、安全と娘の人生を変える腎臓移植のどちらかを選ばなければならない状況に陥っていたのです。
故郷アラバマでクルスさんとペイズリーさんの世話をする典型的な一日はどのような感じでしょうか?また、COVID-19 によってそれはどう変わりましたか?
正直に言うと、私たちにとってはあらゆる病気がCOVID-19です。4年間も隔離生活を送ってきました。「外出」できたのは、インフルエンザの流行が落ち着いた4月から9月までだけでした。COVID-19になっても、日々の予防措置はあまり変わっていません。安全を確保するために、ただ対策を少し追加しているだけです。
週に3日、私たちは(バーミンガムの病院で)透析を受けています。病院内を移動する際には、子供たちを幌馬車に乗せ、N95マスクを着用させています。私自身もマスクを着用し、エレベーターのボタンを押したりドアを開けたりする際には消毒シートを使います。ペイズリーは透析中ずっとマスクを着用しなければなりません。看護師も同様です。ペイズリーが触れるものはすべて拭き、透析中は彼女ができるだけ幸せで、普段通りの生活を送れるように努めています。透析後は、もう一度すべてを拭いてからペイズリーを幌馬車に乗せ、消毒シートを使って病院を出て行きます。そして車に着いたら、リュックサック、お弁当箱、毛布、幌馬車など、すべてにリソールを吹きかけます。一日を通して何度も手を洗っていますが、それでも必ずペイズリーの手指消毒をするようにしています。このパンデミックの間、子供たちの手を清潔に保つことは私たちの最優先事項です。家に着いたら、家に入る前に必ず消毒をします。私たちは玄関で靴を脱いで、すぐにシャワーを浴び、子供たちにお風呂と清潔な服を着せます。
あなたの家族の次は何が起こるでしょうか?
私たちは、ペイズリーをできるだけ安全に保ちながら、このすべてが過ぎ去るのを待っています。
継続的に病院を支援してくださっている寄付者の方々、特にCOVID-19の影響で支援を強化してくださっている寄付者の方々には、何とおっしゃいますか?
家族はあなたを必要としています。私たちのような家族は、普段よりも大きなストレスにさらされています。ウイルスへの恐怖だけでなく、子どもたちの生存に不可欠な日用品の喪失への恐怖も抱えています。
パッカード小児科のケアチームは、遠くからどのようにしてご家族をサポートし続けていますか?
この間、医師たちは私たちにとって本当に明るい光でした。ペイズリーの新しい腎臓が移植されるまでどれくらい待たなければならないのか、もっと悪化したらどうしよう、などと不安になりがちです。でも、医師たちは私たちに「大丈夫。アラバマの自宅にいる方が安全。そしてこの状況は必ず過ぎ去る」と言い聞かせてくれます。タイミングが合えば、腎臓移植を受けられるのです。
編集者の更新: パッカード チルドレンズ病院で手術が再開され、ペイズリーちゃんは2020年6月17日に新しい腎臓を移植することができましたことをお知らせできて大変嬉しく思います。ペイズリーちゃんも腎臓提供者の父カイルちゃんも体調は良好で、ダベンポート一家は全員アラバマ州の自宅に戻り、パッカード チルドレンズ病院の研究・ケアチーム、そして彼らを支えてくださる素晴らしいドナーの方々に感謝しています。
