病院の庭園は患者と家族に安らぎを与える
揺れる葉に降り注ぐ木漏れ日、木々の間から覗く明るい青空、ラベンダーの香り、心を落ち着かせる静けさ。自然の静けさに触れることは、特に医療ケアを必要とするお子様のご家族にとって、心身ともに癒されるものです。
病院庭園のメリットは、数十年にわたって科学的に証明されてきました。複数の研究で、自然との触れ合いはあらゆる年齢の患者、特に子供たちの治癒プロセスを加速させることが示されています。
ルシール・パッカード小児病院スタンフォードの自然へのこだわりは、創設者ルシール・ソルター・パッカードの先見の明に根ざしています。彼女は、自然が治癒に有益であるという哲学を早くから提唱していました。病院の設計にあたり、彼女は子供たちとその家族がホリスティックなケアを受けられる場所、そして庭園が単なる美しい空間ではなく、患者のケアに不可欠な要素となる場所を思い描きました。現在、病院全体に3.5エーカーを超える緑地があり、容易にアクセスできます。
そして今、慈善家スーザン・フォード・ドーシー氏の寛大な寄付により、旧病院棟の改修工事の一環としてアトリウム・ガーデンが再設計され、屋内と屋外がシームレスに繋がる空間が生まれます。新生児集中治療室と母子保健スペースのある西棟に位置する、改装された5,000平方フィート(約460平方メートル)のこの庭園は、困難な時期を乗り越えようとしている妊婦やご家族にとって、静寂の安らぎの場となるでしょう。ご両親は、病弱なお子様と寄り添いながら、静かな安らぎの空間を見つけることができるでしょう。
「人生最大の困難に直面しているご家族に、安らぎのオアシスを提供できることは、私たちにとって大きな意味を持ちます」と、ルシール・パッカード小児保健財団理事長のフォード・ドーシー氏は述べています。「病院が自然との触れ合いを最優先に考えていることは素晴らしいことであり、この取り組みに協力できることを大変嬉しく思います。」
当院には、思慮深く設計された緑地が数多くありますが、中でもダンレヴィー・ガーデンは、エリザベス・ダンレヴィーとブルース・ダンレヴィー夫妻の寛大なご支援により、遊び心あふれる彫刻と曲がりくねった小道を備え、探検や想像力豊かな遊びを誘います。この遊び場に隣接するコックス・ファミリー・ヒーリング・ガーデンは、庭園内、あるいはサンクチュアリから眺める景色の中で、静かに内省し、安らぎを感じられる空間を提供しています。ドーズ・ガーデンは、海をテーマにした遊び場に加え、散歩や座禅を組むための静かなエリアも備えており、特に印象的です。
多くの家族にとって、病院の庭園の影響は計り知れません。
「娘ががんと闘っている間、この庭が与えてくれた影響に心から感謝しています」と、13歳のゼナイダちゃんの母親、クリスタルさんは言います。「化学療法で入院している間、病室から出て新鮮な空気を吸うことができたのは、娘にとって本当に癒やしになりました。」
ゼナイダはパッカード小児病院に入院し、神経芽腫の治療を何年も受けてきました。家族は庭で多くの時間を過ごしたり、ピクニックをしたり、ゼナイダと兄弟たちが一緒に遊べる機会を設けたりしてきました。
「この庭は単なる憩いの場ではありません。数え切れないほどの大切な思い出を紡いできた聖域なのです」とクリスタルは付け加えます。「癒し、インスピレーション、そして力を与えてくれ、どんな困難にもめげずに前進し続けるという決意を強めてくれました。」

この記事は2024年秋号に掲載されたものです。 パッカード子供ニュース.



